孵化を待つ卵焼

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リアリズムと頭身絵【LTアドベントカレンダー参加記事】

LTアドベントカレンダー12/12担当、卵焼(たまご)です。ごきげんよう

今頃私は舞浜へ向かうバスを待っていることでしょう。全財産のほとんどを持って。ゆーて一万円もないです。何かあったら即死。限界ギリギリ旅行!たーのしー!

 

そんな話は置いておいて、今日はお絵描き枠です。いつもはお絵描き枠詐欺をしている私ですが、今日は真面目にお絵描き枠します。ということで今日のテーマは、

 

リアリズムと頭身絵

 

です。

私はもともと美術(鑑賞)に関してはリアリズム寄りでした。というのも、小学生の時に見た図書カードのフェルメールが気に入ったのがきっかけだったかな?真珠の耳飾りの少女、定番ですね。他に好きなのは「地理学者」と「兵士と笑う女」です。

(今年の頭と中ごろに大阪と東京で開催されていたフェルメール展に行こうと思っていましたが予定が合わず泣く泣く断念…8点も日本に集まったのに、とても無念でした。)

年齢が上がるにつれて美術の教科書などで出会う画家の数も広がり、様々な画家や技法に触れましたが、最も琴線に触れたのがキリスト教の宗教画、特に聖母マリア像でした。

まぁ、熱心なファンではなく、見てて気持ちがいいなってレベルで、この画家のこの絵が…みたいな知識はないですが。

その中でも、特に目を引かれるのが手、そして陰影のつけ方でした。当時はもちろんそんな深く考えて鑑賞していたわけではありませんでしたが、今もあの時と変わらぬ感動を味わう中で、あの時漠然と眺めていた絵画に対して湧き上がる様々な感情を言語化できるようになったり、自分がどこを見ているのかがわかるようになったりしたのでしょうね。

 

…という長い長い前置きはここまでにしましょうか。曖昧なタイトルで内容の概要が掴みにくかったかもしれませんが、今回は私が絵を描くときに気を付けていることを、好きな人体の部位である"手"を題材にお話ししたいと思います。

(いきなりすみません、途中まで書き進めた未来の私です。2000文字を超えました。すみません。これたのしい!!!!!!!メイキング始まったらすぐわかるのでそこまで飛ばして大丈夫です!!!!!!!!!!!!)

 

絵の魅力は手が決める

 というのが私の持論です。手がよく描けたなぁ、と思った絵は大抵どれもお気に入りの絵に仕上がるからです。私が手が好きだからモチベに繋がっているというのもあるでしょうね。

いくつか過去絵で例を挙げます。

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2017.08 Twitterアイコン用

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2018.08 友人へのプレゼント用

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2016.10 趣味の落書き

 一番下は左手が好きです。カゴ持ってる方。ただ、一番下は完全イマジナリーなので多少狂いがありますね、特に右手。

 

上の二枚はある共通点があります。それは、

「自分の手を素体にして描いた」

ということ。

私、自撮りめっちゃ苦手なんですよ。自分の顔とか見たくない。超苦痛。でも、自分が描きたい構図の通りに自撮りして、(顔は白塗りでもなんでもすればいいしね)手を参考にして描いたらすっごく好きな絵になったんです。

昔は、手が大きいと可愛くないなって思っていました。そのせいで顔がクッソデカいとか、手がクッソ小さいとか、バランスのかけらもないような絵を描いていました。

でも、こういう絵を通して、

「肩幅をしっかり持たせる、広げた手のひらは顔くらいある」など、実際の人体のバランスで描いた方が絵はいいものになる、という考えに達しました。

ただ、脳死で写実的に描けばいいというわけではない、というのも同時に気を付けなければなりません。人物画を描くわけではなく、あくまで私が描いているのは2Dキャラクターのイラストなのですから。

 

過去に、「響け!ユーフォニアム」というアニメを見ていて感じたことがあります。いつかちゃんと文字にしたいな、してる人いそうだけど。

その時に感じたことは、フィクションにリアリティを持ち込む時のバランスについて、です。作中では、とても丁寧な作画の実際に販売されている(もしくは過去にされていた、かも知れない)楽器が数多く登場します。(特定厨もいたね)作画凄い!リアル!と喜んで見ていましたが、陰影やベル(金管楽器の広がっているところ、音が出るところ)に映る景色は、実物のものとは大きく異なっています。

吹奏楽部だった私は実物のトランペットを持っています。そのため、サンフェス回の麗奈のトランペットのベルを見て気づきました。実際のベルにはもっと周囲の景色が映ると。ベルの奥はそんなに暗闇じゃないと。でも、このリアリティレベルが一番アニメに合っていると。

何が言いたいかというと、フィクションの世界にリアリティは持ち出し過ぎてはいけない、ということです。現実の私の手を素体にした絵たちも、"2Dピクチャーとして"一番見栄えが良くなるように改変されていたりします。その手実際に出来るのか?って言われたらちょっとしんどい手でも、見栄えがいいこともあるからいいんです。

 

実際に描いてみる

というわけで(?)メイキングに入ります。大変お待たせしました!ここまでお付き合い頂いた方、誠にありがとうございます。ちなみにリアリズムの話はもう出てこないです。

ここからは下の絵について、私のいつもの描き方(普段よりちょっと丁寧に描いたけど)と共に気を付けている点を追っていきます。

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二窓推奨とかいう意味のわからない記事になって申し訳ないのですが、メイキング動画をYouTubeに上げておきました。

 

 

https://youtu.be/RT-N-Ac1bH4

 

www.youtube.com

こちらと並行して解説していきます。

 

アタリ

動画を再生して1秒後に一瞬映るのがアタリです

一時停止も難しいと思うのでスクショ貼っておきますね

 


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これが今回の構図です。次はラフに入ります。

 

ラフ①

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ラフの全体像です。迷い線過多ですね。

おでこのあたりの変な線は、生え際です。「顔」というお面にパーツを配置していくイメージなのでおでこのてっぺんからこめかみ、頬骨、顎と、正面絵の輪郭にあたる部分に補助線を入れると描きやすいです。まあ、顔書いた後に書いたけど。髪を描く時にも役立ちます。

 

ラフ②

次は下書きです。

今回特に意識して描いたのですが、迷い線からしっくりくる一本を抽出するのが苦手な人は情報量が減るまで何度もラフを書くといいと思います。そのため、普段は先のラフを書いた時点でペン入れに移っていますが、今回は下書きを行っています。

ラフを何回も書くって、どのくらい書いたらいいの?とお思いの方は、「迷い線なし、ちょっと雑な線画」レベルまで情報量を減らすことを意識するといいと思います。

このくらい

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 これはまだ迷い線あるけどね。なのでもう一回くらいかな。

 

線画

ラフがかけたら線画を作ります。今回はわりと細めで特に凝ったことはせず、単純に線画を作りました。

途中で手に修正が入りましたね。ラフまでの手は現実的じゃないな、ということに気づき、線画の段階で修正しました。このときは自分の手を見ながら書いています。

 

まあ私の手まっっっっるまるしてるからこんな細くないんですけどね!!!!!!!!!!!!!!参考にならねぇ!!!!!!!

 

下塗り

線画ができたら色を塗ります。下塗りはバケツでぱっぱかやってしまいます。線画をはっきり作るタイプの自作塗り絵キッズなので、下塗り簡単手抜きマンです。

今回は男性なので(と言い張る)肌色はしっかりめに、黄色み強めです。女の子はもう少し白く赤くすることが多いです。まあ気分によります。

色を選ぶときは、あまり彩度を上げすぎない方がいいです。基本的に赤丸の中を使う感じで。

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他には特に気を付けていることはないですね。私はいつも目は後で塗ってます。

 

影入れ

下塗りが終わったので影を入れる作業に入ります。

黄色い矢印が出てきたかと思います。これは光源の位置、光の向きを指します。好き勝手に影をつけると矛盾が起きやすいので、私はなるべく書くようにしています。慣れた頃ほど一番危ないというのは、運転でも影入れでも同じです。

まぁでもこれも光源の位置に合わせて適当に塗ってるだけなので特にいうことはないですね。

髪の影とかはその時に思いつきで塗ります。結構無茶な塗りでも案外それっぽく見えます。

 

目の塗り

影を入れ終わった(≒絵が完成にかなり近づいた)段階で目を塗ります。目が絵を決めると言っても過言ではないくらい、目は大事(とよく言われます)。だからたまに目がデカけりゃいいみたいな間違った絵があるんだろうと思いますが…。

それはそれとして、私の目のレイヤー構造は大抵以下の通りです。

①ハイライト(線画の上)

②差し色(右上の緑っぽいやつ)

③瞳のハイライト(加算・発光)

虹彩と目の全周を囲っている色の濃いところ(鏡を見ると分かります)

⑤④と⑥をなじませるためのレイヤー

⑥地の色(目の基本色)

 

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気分で塗りかたを変える時もありますが、だいたいいつもこうです。

これで目が塗り終わりました。最後は線画の色トレスです。

 

色トレス

色トレスとは、線画の色をその近くの色に近づけるというものです。

この辺りの拡大が分かりやすいかな?髪の近くは赤や緑、顔はベージュに線画色を変えています。眼鏡のレンズは灰色です。(元の線画色は群青)

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別にやらなくても神絵は神絵なんですけど、私はやったほうが見栄えが良くなるのでやってます。(面倒じゃない時だけ)

 

完成!

ということで終了です!

私はいつもこんな感じで絵を描いていますが、もちろん人によって好みはあります。必ずしもこう描け!と言っているわけではありませんので、いろんな人の書き方を参考にしながら各々好きなように描くのが一番だと思います。

 

私の絵の根幹にいるのは、椎橋寛先生、若木民喜先生、渡辺明夫さん、藤巻忠俊先生だと思っています。というのも、私が絵を描き始めた当時(小学校5年生かな?)、模写をしていたのが前からお三方、人生で一番ファンアートを描いているのが藤巻先生のキャラクターであるからです。私の絵柄の根本はこの4名が形成しています。

でも、いろんな人の絵を見たり、模写したり、絵柄トレスをしてみたりしたことで、上記の基盤の上に様々な書き方が追加されています。今もされています。日々アップデートしております。〇〇の描き方と画像検索して見た誰が描いたかも分からない絵も、私の絵柄を構成する1つの要素になっています。

 

いろんな絵柄の好きなところをパッチワークのように集めたものが、その人の絵柄であり個性だと思います。「絵が上手くなりたいです!どうしたらいいですか?」の解答が「とにかく描け!」なのは、そういった背景があることも要因の一つだと思います。

なので、いろいろ描きましょう!いろんな絵師さんの絵柄に触れましょう!いろいろなものを描きましょう!食わず嫌いはしない方がいいです!

 

 

自分を素体にするとかね!